4人の先生たちに聞く
全日制日本人学校 西大和学園の
魅力って何ですか?
20年以上にわたり、カリフォルニアで高いレベルの教育を提供してきた日本人学校、西大和学園。
特に教育に熱心な駐在員の家庭が子どもを通わせたがるという、その魅力はどこにあるのでしょうか?
同校で教鞭をとる4人の先生にお話をうかがいました。(※2013年度に掲載された記事です。)
幼・小・中と縦のつながりで得る学び
"まず、西大和学園でしか学べないことを教えてください。"
山本早菜枝先生(以下山本):
私が教えている幼稚園で言うと、幼児教育は教育の根っこの部分。きちんと日本人として育てるためにも、集団生活でのルール、友達との関わりや思いやり、道徳、しつけ、マナーなどはしっかり教えています。 それから、伝承遊びや手遊び、わらべ歌、季節の歌などを通して日本文化や言葉が保育の中で自然に 学べます。
小倉佳恵先生(以下小倉):
子どもの母文化形成期である2〜5歳の間に、アメリカで日本の言葉やマナーを学習できることが西大和の特徴ですね。
阿部晋治先生(以下阿部):
小学校に入る時期は、子どもが自分のアイデンティティーを形成し始める段階。本校は日本人学校ですから、当然、日本語での学力を最大限に伸ばすことを第一にして教えています。また、日本の教育に沿った体育や音楽、図画工作なども発達段階に合わせて行うので、帰国した際も授業法の違いに戸惑うことがありません。
山本:
幼稚園、小学部、中学部が同じ校舎にいるので、学年を越えた交流がありますよね。幼稚園の子は小学部の子を見ながら成長ができるし、小学部の子も下の面倒を見ることで得るものはたくさんあると思います。
"中学部はどうでしょう?"
美間優香先生(以下美間):
日本の中学と同じように運動会や学園祭などの行事があるのは西大和ならでは。運動会で応援団長になったり、ダンスを考えたりする子たちはリーダーシップが身に付きます。また、日本だとこうした行事では中学1年生は上級生に面倒を見られる側ですが、西大和では小学生全体をまとめる役割が与えられていて、成長する機会となっています。
山本:
幼稚園で伝統的な日本の生活習慣を育み、小学部でアイデンティティーを形成し、中学部でリーダーシップを養っていく。これらは全て全人的な国際人となるための基礎となるとても重要な要素ですね。この縦の連携は今後も強めていきたいと思います。
さらに進化する充実した英語教育
"英語教育についておうかがいしたいのですが"
山本:
幼稚園では週に4回のESL(English as a Second Language)の授業があります。一番下の2歳児でも、週1回行っています。絵本や歌などを通して、楽しく英語を学んでいますよ。
阿部:
小学部では1〜4年生でESLが週5日、5、6年生になるとさらにレベルの高い英語の授業が週に2回加わります。3年生からは現地校との交流やホームステイプログラムがあり、英語によるコミュニケーション能力も養います。
美間:
中学部では教科書はもちろん使いますが、人気のテレビ番組やラジオでよく流れるヒット曲などを題材にして、英語を学べるようにしています。そのほか、英語によるスピーチ、演劇なども取り入れています。西大和の子はみな学習意欲がとても高いので、日本から来たばかりの生徒でも国語力が高い子はぐんぐん英語力が伸びていきますね。
小倉:
2014年4月からは、小学部、中学部で体育や音楽などの実技教科を英語で行うという新たな試みもスタートします。これによって幼稚園、小学部、中学部あわせてバイリンガルになるために必要と言われている年間5000時間の指導に近づく教育が行われます。また、全校で英語検定に取り組む活動も行っていきます。6年生までに2級、中学生では準1級を目指します。
※文章内ESL:English as a second languageは2014年度よりELD/ELAに変更
ELD:English Language Development/ELA:English Language Art
リーダシップを持つ子が多く育つ環境
"保護者や生徒から、御校についてどんな声が聞かれますか?"
山本:
保護者の方からよく言っていただくのは、「少人数でアットホーム。先生全員が全ての子どもたちを知っているので、安心して預けられる」ということですね。西大和の幼稚園を卒業して引っ越し、2年後また帰ってきて「幼稚園がとても楽しかったから」と小学部に入ってくれた子もいます。うれしかったですね。
阿部:
西大和の子は、教師、子ども、そして保護者が仲良く、距離がとても近いんです。だから、こちらが押し付けるわけでもく、子どもたちは自然と強い愛校心を持ってくれますね。
美間:
西大和の卒業生および西大和から日本の中学校に編入した子たちは、授業中、積極的に質問をして他の子を引っ張ったり、部活動の中心的存在になったり、生徒会の会長になったりと、リーダーシップを持った子が多いと聞きますね。
小倉:
西大和は少人数で信頼関係が育成されるので、生徒が常に安心していられるんだと思います。そういう環境だと、子どもは積極的になりやすいんです。卒業生たちが日本でもリーダーシップを発揮しているというのは、西大和で本物の力を付けたという証拠だと思います。
先生がみな教育熱心でグローバルな経験を持つ
"最後に、先生たちの教育観、こだわりを教えてください"
山本:
子どもたちはとにかく好奇心の固まり。なるべくああしろ、こうしろではなく子どもが自主的に行動できるきっかけを与えたいと思っています。一人ひとりの個性も褒めて引き出してあげたいし、子どもたち同士も向き合ってほしいし…あぁ…とてもひと言では言い切れません!
阿部:
常に子どもの心を見つめること。それから自分が教師として、教えることを楽しむようにしています。それができれば子どもたちもおのずと学ぶことを楽しめると思うんです!
美間:
あいさつ、笑顔、元気!この3つをいつも心がけていますね。あとは、西大和の生徒は将来、グローバルな人材となっていく子たちなので、グローバルであるとはどういうことなのかを常に考えさせるようにしています。
小倉:
西大和は、教師自身がみなグローバルですね!山本先生は以前、オーストラリアで働いていたし、阿部先生はアメリカ生活がもう10年以上。美間先生もイギリスで学んでいます。自分が実際に経験したことでないと、本当の意味で人に教えるのは難しい。そういう意味で、西大和の教師は生徒の前に立った時、自然に自身の経験を分かち合えています。そんな頼もしい先生方と共に、さらに西大和の教育を進化させるために貫力したいですね。